十勝港で貴重な春の味覚「トキシラズ」、初水揚げは2匹
【広尾】春の味覚「トキシラズ」(時サケ)の水揚げが、広尾町の十勝港でも始まった。今月中旬には、広尾漁協(亀田元教組合長)の春定置網漁も始まる予定。広尾を代表する高級魚の漁が本格化する。
トキシラズは、秋に産卵を控えた回遊中の若いシロザケ。春から夏にかけて水揚げされるが、卵巣や精巣が成長していないため脂の乗りが良く、高級食材として人気が高い。
日本の200カイリ内の太平洋で操業する小型サケマス流し網漁の漁船が十勝港にも帰港し、9日朝、同漁協市場に「初モノ」が登場した。「しけで思うような操業ができなかった」(市場関係者)といい、2匹の水揚げにとどまった。競りでは1キロ当たり4000~5000円と、例年の2倍近くの価格で取引された。
トキシラズは海水温の上昇などから、ここ数年は漁獲量の減少傾向が続いている。2匹を競り落とした水産関係者は「今後の漁模様に期待し、浜を活気づけるため高い値を付けた。まだ滑り出しで我慢の時。春定置網漁での巻き返しに期待したい」と話していた。(松岡秀宜)