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糠平ダムかさ上げに約880億円 豪雨災害など対策で 帯広開発建設部が試算

かさ上げが検討されている糠平ダム

 十勝川水系の治水対策として検討している上士幌町内の糠平ダムのかさ上げについて、帯広開発建設部は、同ダムを6メートルかさ上げした場合にかかる費用は約880億円に上るとの試算を明らかにした。既存ダムの有効活用と河道掘削を合わせた治水対策費用(30年間)は約4340億円で、今後、詳細を検討した上で、新規事業採択時評価までにかさ上げの規模などについて決定する。

 22日の第15回十勝川流域委員会で示した。

 十勝川水系河川整備計画の変更に当たっては、2016年8月の豪雨災害や気候変動を踏まえた治水対策を検討しており、洪水時の十勝川の目標流量を安全に流下させるために必要な容量を、既存ダムの有効活用と河道掘削で確保する考えを示している。

 既存ダムの有効活用に当たっては、十勝川と音更川の合流地点に帯広市街地が位置することから、音更川上流にあり、貯水容量が大きい電力発電で使用されている糠平ダムのかさ上げを検討。帯広開建の試算によると、ダムによる洪水調節を行うために必要な容量を確保するため、同ダムで6メートルのかさ上げが必要と想定した場合、30年間の計画期間でかかる費用は約880億円と試算。ダムのかさ上げと河道掘削による30年間の治水対策の事業費用は約4340億円となり、完成後、50年間でかかる維持管理費用は約920億円に上るとの試算を示した。

 この日の委員会で23年度にスタートを予定する同計画の変更(案)が承認され、今後、道知事や関係機関からの意見聴取などを経て計画変更を正式決定。その後、ダムのかさ上げ規模など事業の詳細を検討する。(完戸雅美)

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