初水揚げは昨年を下回る 十勝沿岸で秋サケ漁スタート
【大樹】十勝沿岸漁業の主力の秋サケ定置網漁が解禁され、大樹漁港で31日朝、管内の先陣を切って初水揚げされた。今季は2017年に次ぐ低水準の来遊数が予想されており、大樹の初日の漁獲量は昨年を下回る6トン台と静かな滑り出しとなった。9月1日以降、広尾、大津でも漁が本格化する予定で、関係者は今後の巻き返しを期待している。漁期は11月20日まで。
定置網解禁 価格4割高
例年同様、大津、広尾、大樹の管内3漁協で計23カ統に定置網を設置する。大樹と大津は漁が解禁された30日朝に陸(おか)網を仕掛け、大津は9月1日に水揚げする。天候不順のため、広尾は31日午前現在、網入れを行っていない。
5カ統の大樹漁協(神山久典組合長)はこの日、漁船5隻が雨が降る中、午前5時ごろに出港。網を上げて同6時すぎに帰港し、ぴちぴちと跳ねる銀色の魚体が次々と市場へ運び込まれた。
初日の漁獲量は約6・6トンで昨年の7・1トンを下回った。1キロ当たりの価格は雌980~1000円、雄415~500円で昨年より3~4割ほど高値だった。
十勝沿岸の秋サケ漁は17年から不漁が続いている。昨年の漁獲量は大津が前年比27%増となったが、総体的に低調で推移し、広尾、大樹では町が漁業者の支援に乗り出す事態となった。十勝を含む「えりも以東西部」の今季の秋サケ来遊予測は84万5000匹で、17年(54万9000匹)に次ぐ水準となっている。
大樹漁協の伊藤浩二専務理事は「事前の来遊予測通り、初日の量は少なく、型も小さめだった。これから水温が下がり、昨年より大漁になることを期待したい」と話していた。(松村智裕)