名門復活へ競技馬寄贈 帯畜大馬術部OB会が50周年事業で
帯広畜産大学馬術部OB会(中曽根宏会長)は今年度、創立50周年を迎えた。記念事業として、馬術部が全国大会で活躍できるよう、馬術競技に適した「中間種」の馬1頭を寄贈した。中間種が同部に来るのは約30年ぶり。OB会は、3度の全国優勝を誇る名門の復活を願っている。
同馬術部は大学が創立された1941年秋に「騎道班」として誕生。部の卒業生は330人を数える。67年に設立されたOB会は、部の遠征や部誌の発行費用などを支援している。
馬術部に在籍する馬はこの30年近く、サラブレッドばかりだった。サラブレッドは引退した競走馬を無料で引き取り、馬術用に改めて調教している。ただ、全国大会に出場する私立大学は財政的に恵まれ、気性が穏やかで飛越も得意な中間種を購入している。帯畜大は全国大会で3回、団体優勝しているが、74年以降は遠ざかっている。
名門復活への願いを込めOB会が寄贈したのは、中間種「チェリーラブ」(雌、4歳)。9月上旬に同大に到着し、調教が進められている。馬術部の小嶺壱慶主将(4年)は「寄贈はありがたい。サラブレッドに比べ、中間種は騎手の指示を聞き入れやすい」と実感する。
OB会事務局の柏村文郎・元帯畜大教授は、部員の技術はあってもサラブレッドで全国大会を戦うのは限界があるとし、「今後も中間種の導入を進めたい」と話す。30日に贈呈式を行う。この寄贈馬を含め、馬術部に在籍する馬は13頭となる。
馬の種類は多様で、サラブレッドは軽種、ばんばは重種に区分される。(池谷智仁)