農業被害8881ヘクタ-ルに拡大 台風10号十勝管内
【札幌】道は6日、台風10号による農業被害面積が1万2311ヘクタールに拡大したことを明らかにした。最も被害が大きかった十勝管内は河川氾濫による冠水や浸水被害分が加わり、被害面積は8881ヘクタールに上る。「中札内若どり」の水死など家畜の被害も多数あり、管内の甚大な被害が改めて浮き彫りになった。
道によると、河川氾濫による冠水や浸水被害分は1市4町で522・5ヘクタール、このほか大雨による被害は8358・7ヘクタールに達した。新得、清水などでビニールハウスや牛舎、納屋の損壊被害が合わせて110棟となった。
家畜被害では清水町内の牛舎の浸水で牛15頭が水死したほか、停電によって牛乳120トンを廃棄した。中札内村内では鶏舎の浸水でブロイラー7万5000羽が水死し、帯広市内でも豚舎が浸水で豚1080頭が水死する大きな被害が出た。
道農政部は、来年以降の営農への軽減策として、国の激甚災害の査定を待たずに復旧に着手できる制度を活用する考え。当面の秋まき小麦の播種(はしゅ)などに間に合うよう農地の早期復旧に取り組む。(道下恵次)