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加藤さんに酪農「黒澤賞」 広尾

黒澤賞受賞を喜ぶ加藤さん(右)。左は村瀬町長

 【広尾】第66回日本酪農研究会(日本酪農青年研究連盟主催)で、町紋別17線の加藤太朗さん(42)が最優秀賞に当たる「黒澤賞」に輝いた。広尾町内では8年ぶり3人目。1994年の新規就農以来20年間、全ての土作り・餌作り・牛作りを自前で行う酪農経営方針が認められた。

 黒澤賞は酪農の父・黒澤酉蔵から名付けられた同研究会最高賞。広尾では2001年に川崎潤司さん、05年に小田治義さんが受賞している。十勝管内では10人目。今回の研究会は札幌市で12日に開かれ、全国各地からよりすぐられた6人が発表した。

 加藤さんは名古屋市出身。八ヶ岳中央農業実践大学校卒業後、鹿追町での酪農実習などを経て、広尾町内に就農し「加藤太朗牧場」を立ち上げた。当初から一貫して「全て自前作業」との信念を掲げており、自給飼料生産はもちろん、牛舎、サイロ、堆肥舎まで自分で施工。建設コストを抑えた分を牛の購入に充てるなどして経営規模を拡大してきた。

 現在、妻亜紀さん(44)、日本人従業員2人、中国人研修生5人の計9人で約370頭(うち搾乳牛200頭)を飼養管理している。

 26日には町役場を訪れ、村瀬優町長に受賞を報告。「感激で言葉にならない。皆さんのおかげ」と喜びと感謝を伝えた。村瀬町長は「(今回の受賞は)広尾の農業を支える力になる。頼もしいし、心強い。今後は先導者として周囲を引っ張ってほしい」とたたえた。
(関根弘貴)

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