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相次ぐクマ出没 専門家「入山控えて」 標茶で大けが

帯広市内に掲げられたクマ出没の注意を呼び掛ける掲示物

 全国的にクマの出没が相次ぎ、山に入る際は一層の注意が必要だ。道内でも今年4月、釧路管内標茶町の山林で山菜採り中の男性がクマに襲われ、大けがをした。クマよけ用の鈴が効かない個体もおり、専門家は入山を控えるよう呼び掛けている。

 道警釧路方面本部によると、十勝管内の今年の目撃件数は5月末までで14件(前年比3件減)。釧路管内は19件(同2件減)、根室管内は8件(同1件減)と減少傾向にある。

 ただ、4月16日には標茶町で、山菜採りで入林した男性が親子グマ3頭に襲われ、頭部を負傷した。男性は熊鈴を2個持ち歩いていたが、迷彩服を着用していたという。釧本では「鈴を付けるほかにも、目立つ服装で人間の存在を知らせて」と呼び掛ける。

 クマの生態に詳しい帯広畜産大学の栁川久副学長によると、5、6月は冬眠から覚めたクマが新たな縄張りを求め、活動範囲を広げる時期。事実、十勝管内では2年前のこの時期、音更町木野の市街地でもクマの出没が相次いだ。狩猟でのシカの残骸などが山に残り、それを餌とするクマの個体数は増えているという。

 被害を防ぐにはクマに遭わないことが大前提だ。栁川副学長は入山自体を控えるようにも呼び掛け、「川沿いが(クマの)移動の通り道になっており、河畔林や防風林などに近づかないこと」とする。山菜採りなどで入山する場合は「複数人で会話するなど、音を出しながら自分たちの存在を知らせることでクマは逃げていく」と助言する。

 入山前は道や市町村のホームページでクマの出没情報などをチェックし、万が一、クマに遭遇した場合は「距離を保ちながら慌てずに後ずさりすること」としている。(高津祐也、藤島諒司)

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