浦幌のITスタートアップが初の資金調達、1億3000万円 新技術の開発へ
【浦幌】空間VR(仮想現実)を使ったイマーシブ(没入)体験サービス「uralaa(うらら)」を手掛ける、浦幌町のIT企業「フォレストデジタル」(辻木勇二CEO)は12日、総額1億3000万円の資金を調達したと発表した。北海道電力やエステーなど4社を引受先とする新株予約権を発行、日本政策金融公庫からの融資も受けた。スポーツやエンタメ分野などuralaa事業の拡大や新技術の開発を進める。資金調達は2019年の創業以来初めて。
同日、町内で資金調達・事業戦略発表会を開き、出資企業の代表者、来賓の井上亨町長、野口正浩十勝総合振興局長ら約30人が参加した。
資金は札幌イノベーションファンド投資事業有限責任組合、北電、北洋銀行、エステーの4社で1億円、日本公庫が3000万円を融資した。
同社は、辻木CEOら大手IT企業の元社員で19年11月に設立。町内のTOKOMURO Lab(常室ラボ)内に本社を置く。「uralaa」はヘッドマウントディスプレーを使わず、天井や壁に各地の風景など臨場感あふれる映像を投影し没入体験ができる。大阪・関西万博でも大阪府箕面市の風景などを紹介するという。
自然や教育、防災など提供するコンテンツは約1200、常設施設は同ラボや羽田空港、道外企業のオフィスなど9カ所ある。
辻木CEOは「イマーシブな空間で体験できることはどんどん膨らんでいくだろう」と強調。スポーツやエンタメなどカテゴリーを増やし、27年度までに5000コンテンツ、常設施設を国内300カ所に広げる計画を示した。
北電、エステーと連携し、それぞれ没入体験を活用した事業を進めることも明らかにした。(澤村真理子)
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