牛舎の暑熱対策商品が早くも人気 昨夏の猛暑が影響
十勝管内で早くも夏を感じさせる暑さが続く中、酪農家向けの暑熱対策商品が売れている。牛舎用の換気・送風用ファンや遮光ネットなどが人気で、商品を販売する関係者は「昨年の猛暑による乳牛への影響が大きかったからでは」と話している。
管内では昨夏、気温35度以上の「猛暑日」を連日で記録するなど異例の暑さに。乳牛は30度以上で生乳生産性や健康維持に影響が出るとされ、ホクレン帯広支所の生乳受託乳量(十勝分)は昨年8月が前年比8・0%減、9月が6・7%減と大きく落ち込んだ。十勝家畜保健衛生所によると、同6~8月に管内で乳牛34頭が暑熱被害を受け、そのうち16頭が死亡・廃用となった。
畜産資材を製造・販売する菱中産業(帯広市、中谷全宏社長)では、今年からドイツの世界的な産業用ファンメーカー「ジール・アベッグ社」の牛舎用ファンを本格的に取り扱っている。風の強さや静音性に加え、高効率で消費電力の少ないモーター、スマートフォンでの管理などが特徴で、ブラジルなど各国の牧場で活用されている。
菱中産業産業資材部の林征宏さんは「問い合わせは50件ほどあり、酪農家の関心は高い。今後は500頭規模の新築牛舎にファン約100基を導入する工事などを予定している」とする。
同社の扱う商品では温度や雨、風をセンサーで感知する電動式遮光ネットも注目されている。林さんは「猛暑が続いてニーズがあれば、ファンと併用した牛舎用ミストの販売も検討したい」と話していた。(松村智裕)
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