本別の亜麻 北海道フードネットワークプロジェクトでドレッシングに 試験販売
【本別】本別町内の農家富川範己さんが栽培している亜麻由来の亜麻仁油が、ドレッシングとして販売されている。約700本の限定販売。利益になる数量ではないが、今後の亜麻生産につなげたいと試験的に製造した。帯広物産協会が協力し、北海道フードネットワークプロジェクトの連携で商品化を実現させた。
原材料である亜麻は全て富川さんが生産。生産を始めたのは2020年からで、生産量はまだ少なく、搾った亜麻仁油は約9リットル。通常ならば商品化できる量ではないが、せっかく作った亜麻仁油を活用したいと、JA本別町(佐野政利組合長)が帯広物産協会に相談。同協会が事務局を務める同プロジェクトが「生産者の所得向上」を目指していることから、高価な亜麻の栽培を広める手伝いをと商品化に乗り出した。
富川さんの亜麻仁油は少量で価格も高いことから、物産協会や販売を担当するふたみ青果(釧路)らがドレッシング化を提案。タマネギドレッシングと混ぜることで、まろやかな味で手頃な価格で販売できる。
今回は試験製造で、消費者の反応を見ながら、今後亜麻の増産など本格販売のための取り組みを進めていく。同協会の木戸善範事務局長は「加工品は産地を引っ張る力がある。就農者を減らさないためにも、収益性の高い作物を普及させたい」と話す。
富川さんは「好評なら作付面積や亜麻農家を増やして増産につなげたい」と話す。佐野組合長も「亜麻の増産のみならず、タマネギも本別産を使用し、町の特産品としてドレッシングを育てていきたい」と意気込んでいる。
「十勝農家の和風たまねぎドレッシング」(300ミリリットル、734円)は現在、とかち物産センター(JR帯広駅エスタ東館2階)や音更町のハピオなどで販売中。(吉原慧)