国内初ドローン3機で農薬散布 幕別
【幕別】JA幕別町(前川厚司組合長)を代表機関とするスマート農業実証試験の共同事業体は14日、町糠内のほ場で、国内初となる農薬散布ドローン3機の編隊飛行を実演し、関係者に公開した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の緊急経済対策「労働力不足の解消に向けたスマート農業実証」の一環。農研機構からの委託事業として、全国24件が採択された。
幕別の取り組みには町、十勝農協連、NTTドコモも共同実証機関として参加。規模拡大が進むJA組合員の人手不足解消に向け、ドローンによる農薬散布作業の外部委託化の可能性を探る。スマート農業の担い手育成も目指し、帯広農業高と帯広工業高の生徒も実証に参加する。
この日は関係者ら130人が見学、業界大手DJI(中国)の農薬散布ドローン「T20」を使用した。同時に離陸した3機は、あらかじめ設定されたルートに沿ってほ場を往復、水を散布した。3機編隊飛行では1時間で9ヘクタールの散布が可能。
同JAは11月に組合員のほ場100ヘクタールで3機編隊飛行による秋まき小麦の雪腐病防除を行い、ラジコンヘリとの間で効率性を比較検証する。
T20のライセンスを取得した帯広農業の生徒は10人で、同日は3年の森谷大空さんと山本宜享さんがデモフライトを披露した。卒業後は実家(畑作)で就農する森谷さんは、「遠隔での農薬散布で作業が楽になる。将来はドローンを持つ農家が多くなると思う」と話していた。(澤村真理子)