家庭の防災計画を 水害1年でシンポジウム 清水
【清水】昨年の台風10号災害の経験を踏まえ、防災について考える「清水町備災シンポジウム」(十勝清水プラス主催、町共催)が27日、町内のハーモニープラザで開かれた。約150人が参加。地震、津波など大規模災害発生時の対応事例を聞き、普段の心構えの大切さを学んだ。
2011年の東日本大震災以降、全国の災害現場で活躍する元東京消防庁レスキュー隊のボランティアチーム「集結」が講演した。
メンバーの田井義司さんは、15年に鬼怒川水害が発生した茨城県常総市について、町村合併前に「水海道(みつかいどう)市」という名前があったことを紹介。過去にも水害が起きていたことが推測できるとした上で「近所の山の地質など自分が住む地域のリスク認識し、各自が備害・減災意識を高めるべき。町の地域防災計画に頼り過ぎず、自宅の防災計画を立ててほしい」と呼び掛けた。
「集結を応援する会」(高橋恒雄代表)事務局長の山本光子さんはインターネットを活用した細かな現地情報発信の必要性を強調。「被災者ニーズに適した支援物資を調達でき、『寄付金が何に使われているか分からない』といった声も解消される」とした。高橋代表も「必要な物資を的確な量で被災地に送るには、友人関係など民間レベルのネットワークが大きな力になる」とした。
カードゲーム形式の防災教材「クロスロード」を使ったワークショップで被災時対応を考え、ポリ袋を使った炊飯体験や非常食の試食会も行った。十勝清水プラスの宮崎幸夫代表は「皆が集まり防災を考える貴重な機会だった」と話していた。(小寺泰介)