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老舗クラブ747、来年3月閉店 常連客から惜しむ声

40年余り店を支えてきた喜美子さん(左)と苦労をねぎらう神谷社長

 ナイトクラブ747(帯広市西2南11、井上喜美子ママ)が来年3月末で閉店する。開店から40年、前身のバー「マデロン」から数えて60年余りの老舗。100人を収容できる店内や、時間制限なしの低料金飲み放題システムなどで多くのファンがおり、閉店を惜しむ声が聞かれる。

 喜美子さん(69)の健康上の理由などから、閉店を決めた。

 747は、喜美子さんの父で、飲食店を多数経営していた「夜間飛行」社長の井上喜代治氏(故人)が1975年に現在地で開店。3年後には2階にも拡大し、1階を「エアポート747」、2階を「ニュー747」とした。88年ごろ2階の1店に統合した。

1990年前半ごろ。喜代治氏(故人、後列4人目)の誕生日を祝うスタッフや客たち(前列左から2人目が喜美子ママ)=喜美子ママ提供。

 喜美子さんはオープン時から店を任された。「ボトルがあれば、セット300円で飲める」(当初)など低料金が売り、飲み放題は開店から6、7年後に始めた。「父の発案。『女性300円、男性980円』などとしたが、これが大当たり。女性が安いのは『女性が来る店には自然と男性も集まる』という父の理念から。開店前から人が並び、この広い店が何回転もし、休む暇がなかった」と喜美子さん。

 ただ、最大で10店舗以上あったグループ店も、今は同店だけに。7年前、喜代治氏は夜間飛行をやめ、親しかった元会社社長の神谷昭典氏(74)=帯広=の新会社に店を引き継いでもらった。自身は顧問となって昨年4月に亡くなるまで店を見守り続けた。

 売り上げはピーク時に比べ激減したものの、地域の名士を含め30年、40年の常連客や会合で利用するグループも多い。喜美子さんの人柄を慕って通う常連客と11年前に結成した「友の会」は、会員が120人を数え、毎月例会を楽しんできた。11月には1年遅れの創業60年と開店40年を盛大に祝ったばかり。

 帯広社交観光組合の現会員では、マデロン時代も含めると最古という。7日に約70人が参加した「友の会」の例会で、喜美子さんが涙ながらに閉店を発表すると、男泣きする人もいたという。マデロン時代から60年ほど通う会社社長の桜井秀信さん(81)=帯広=は「まちなかのオアシスで、帯広一の店だ。夜間飛行も消えたし、とても残念」と話す。

 来年3月29日にはお別れ会も企画する。「ママあっての747。一つの区切り」と神谷社長。喜美子さんも「感謝の気持ちでいっぱい。4月に心臓病の手術をするが、経過がよければ、『747』の名で小さな店をやるのが夢」と思いをはせている。
(佐藤いづみ)

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