一人前に「仕上げる」 芽室自動車学校の辻指導員 まちマイ芽室編
芽室自動車学校(東3ノ10、杉下光男学校長)の指導員辻正和さん(59)は、教習生に運転技術などを教えることを「仕上げる」と表現する。そこには、必ず一人前に育て上げてから公道に送り出すという強い決意がにじむ。
車が好きだった辻さんは、自動車ディーラー勤務を経て、36年前に同校で指導員の道を歩み始めた。普通自動車に始まり、二輪、大型など全車種の指導員資格を持ち、検定員もこなす。
特にやりがいを感じるのは、運転にまっさらな教習生が多い普通車の教習だという。「何もできなかった生徒がうまくなっていくのを目の当たりにし、合格して跳び上がって喜ぶ姿を見るのが何よりうれしい」とほおを緩める。同校は5月で初心者事故(免許取得後1年以内の事故)ゼロが10年に達する。「一人ひとりをしっかり“仕上げ”て、この記録を更新していきたい」
近年は、高齢者講習の講師を務める機会も増加。「人生の先輩を前に、言葉づかいなど気を使うことも多い」という。それでも辻さんは安全運転の達人として、「年齢を重ねれば視力も聴力も反射神経も衰え、それに見合った運転が必要になる」と、柔らかな物腰の中にちらりと厳しさをのぞかせた。
(丹羽恭太)
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