花畑牧場とワタミ提携 「6次産業化のモデルに」
【東京】外食大手「ワタミグループ」(東京、桑原豊社長)と「花畑牧場」(中札内村、田中義剛社長)は15日から、乳製品を使って共同開発した料理とデザート各5品を居酒屋チェーン「和民」など全国587店舗で提供する。両社は「6次産業モデルを持つ企業が提携した国内初の大きな取り組み」としている。
同グループ子会社「ワタミファーム」(千葉)が乳牛約100頭を飼育している釧路管内の弟子屈牧場(約260ヘクタール)から日量約1・5トンの生乳を花畑牧場に搬入し、モッツァレラチーズやラクレットチーズなどに加工。これらを使った計10メニューを十勝帯広店を含む「和民」の他、「坐・和民」「わたみん家」「炭の鳥子」で扱う。
檜山管内の同ファーム瀬棚農場のフレッシュチーズも花畑牧場で最終加工する。第1弾のメニューは「ふわとろツナマヨヘルシーピザ」「おもちとろ~り和風チーズグラタン」「スフレパンケーキ」「瀬棚農場のバニラアイスと花畑牧場の生キャラメルのアッフォガード」などで、3カ月ごとに新商品を開発する予定。
14日、都内新宿区で開かれた発表会では、同グループ創業者の渡邉美樹氏(参院議員)と田中社長がトークセッションに臨んだ。田中社長は「農業は立派なビジネスになり得る。ワタミとのコラボレーションで、海外にも行けるというのを見せたい」と意欲。渡邉氏も「日本の6次産業のモデルにしたい」と応じた。
コラボレーションの「キューピッド」に任命された歌手、女優の高橋愛さん(元モーニング娘。)も加わり、弟子屈牧場産牛乳で乾杯。桑原社長は新メニューを紹介し、「『安全』『安心』『手作り』『季節感』のコンセプトに合うのは花畑牧場しかない。末長く取り組みたい」と話した。(岩城由彦)