貯水位過去最大に 札内川ダム
台風10号の大雨により札内川ダム(中札内村)の貯水位が8月31日、1999年の供用開始以来最高の標高486・05メートルに達していたことが分かった。非常時の放流口「非常洪水吐(ばき)」から初めて水が流れ、放流量も最大となった。同ダムの洪水調節機能を上回る大雨になり、札内川下流の増水と堤防の一部決壊につながったとみられる。
札内川ダム管理支所によると、同ダム流域の総雨量は、同28日午後6時の降り始めからの合計が351ミリに達した。ダムへの流入量も31日午前0時に毎秒707・31トンを記録。水位は平時は同466メートルだが、31日午前1時に同486・05メートルと、堤頂まで2メートルに迫った。
同ダムの放流はゲート操作の排水ではなく、自動放水で非常洪水吐から流れ出した。放流量も31日午前1時に過去最大の同647・93トンを記録。発電放水を行う平常時の同12~13トンから大きく増えた。
大雨時は洪水調節機能で下流の水位を下げている同ダムだが、今回はそれを上回る大雨に。帯広市昭和町では札内川の堤防が一部決壊した。同支所では「ダムの洪水調節機能を上回る雨になり、放流されることになった」としている。
(安田義教)
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