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12カ所で史上最高水位 台風10号で十勝川水系

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計画高超え4カ所
 台風10号による豪雨の影響で、十勝川水系で水位を観測する22カ所のうち、6河川の12カ所で観測史上最も高い水位を記録していたことが、帯広開発建設部のまとめで分かった。堤防が耐えられる最大値の「計画高(こう)水位」を超えた場所も豊頃町茂岩など4カ所あり、十勝川の本流でも氾濫の危険が迫る緊迫した状況だった。

 計画高水位を超えたのは、十勝川の芽室太(芽室町)、千代田(幕別町)、茂岩、札内川の南帯橋(帯広市)の4カ所。堤防には余裕があるのですぐに氾濫するわけではないが、「いつ水があふれてもおかしくない」(帯開建治水課)環境にあった。

 中でも茂岩は8月31日午前11時、水位が12・68メートルに達した。計画高水位を約1メートル上回り、これまで最高の水位だった10・08メートルを2メートル以上上回った。

計画高水位を超えた豊頃町の茂岩橋地点(8月31日午後)

 管内で戦後最大規模の洪水被害が出た1981(昭和56)年の「56水害」を上回る水位の場所も4カ所あった。芽室太と千代田に加え、音更川の音更、札内川の第2大川橋(帯広市)の観測地点で、当時と単純比較はできないが、洪水の危険が高まった。

 道内は8月中旬以降、台風が4つ連続で通過、接近。十勝川水系も河川の水位が下がり切る前に次の台風が来る状況だった。4つ目の台風10号は、十勝の西北部を中心に記録的な雨をもたらし、帯広市内の札内川や音更町内の音更川などで堤防が決壊・損傷した。

 一方、十勝川は2007年に千代田新水路が完成し、音更町の相生中島地区で河道の掘削がほぼ終わっている。帯開建ではこれらの治水事業が、記録的な雨量の中でも水位の低減につながったとみている。

 同課は「これまでに経験したことのない大雨に見舞われ、多くの地点で観測史上最も高い水位となった。(昨年9月に茨城県常総市で起きた)鬼怒川決壊のような可能性もあった」としている。(安田義教)

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