十勝ロイヤルマンガリッツァ豚、シンガポールの飲食店の食材に採用 丸勝
雑穀卸の丸勝(帯広市、梶原雅仁社長)が生産する「十勝ロイヤルマンガリッツァ豚」が、シンガポールの中華料理レストランの食材に採用された。「食べられる国宝」とされるハンガリー原産のマンガリッツァ豚の飼育に挑戦し8年、海外への供給は今回が初めてとなる。同社は「香港、タイにも販路を広げたい」としている。(能勢雄太郎)
このレストランは、四川飯店グループを展開する民権企業株式会社(東京)が監修するシンガポール版ミシュランの星付き店「Shisen Hanten by Chen Kentaro」。16日のリニューアルに合わせ、マンガリッツァ豚を使用した回鍋肉(ホイコーロー)をメニューに加えた。
民権企業代表で人気中華料理人の陳建太郎さんと、マンガリッツァ豚の販売促進を担当する丸勝営業販売戦略室の牛膓(ごちょう)健司室長が懇意にしている縁で実現した。四川飯店ではこれまでも、フェアの食材としてマンガリッツア豚を使用していた。
日高管内新冠町のアジア系輸出に対応した食肉センターで加工し、月1回程度、約50キロの豚肉(バラ肉)を供給する。
丸勝は2016年にマンガリッツァ豚を輸入し、現在は幕別町内の農場で約500頭を飼育。和牛並みの高級食材として都内を中心に販路を広げており、富裕層にターゲットを絞るシンガポール・四川飯店の戦略に合致した。
陳さんは「中華の鉄人」こと父建一さんと何度も仕事で帯広に足を運び、十勝はなじみのある場所。十勝でさまざまな食材と出合ったが、マンガリッツア豚はおいしさに感激した食材の一つという。
陳さんは「マンガリッツ豚は脂身のうまさが際立ち、間違いなく、世界に広がる食材。チャーシューや酢豚にも取り入れたい」と強調。牛膓さんは「事業開始時から『世界一の豚肉』を目指して試行錯誤した。シンガポールを海外展開の足掛かりにしたい」と話している。