立命館大の学生が陸別のフェアトレードの取り組みを視察
【陸別】立命館大学(京都)の学生らが18、19の両日、フェアトレードによるチョコレート販売に取り組む陸別町を初めて訪れた。町の農畜産物加工研修センターなども視察し、フェアトレードに関する具体的な取り組みや姿勢について理解を深めた。(津田久美通信員)
来町したのは、教養科目「平和人権フィールドスタディ」の「フェアトレードクラス」の学生4人と、担当の秋吉恵教授。当初、バングラデシュで実習を予定していたが、政情不安定で渡航中止となったため、視察研修として陸別町を訪れた。
一行は初日、道の駅で一般社団法人寒冷地デザインセンター(陸別)の秋庭智也代表理事の話に耳を傾けた。バングラデシュなどを支援する国際協力NGOジャプラニール(市民による海外協力の会)での経験や、町の地域おこし協力隊時代の取り組みを聞いた。町内の風景写真や子どもが描いたイラストなどのパッケージを使用したフェアトレードチョコレート「まちチョコ」などについても理解を深めた。
秋庭さんから「『地域も海外も元気に』をコンセプトに、関わる人が増えれば自分の商品と思ってもらえるため『町民参加型』を心掛けた」とのエピソードを聞き、3年の菅野桜さん(20)は「フェアトレードそのものが目的ではなく、付加価値をつけるという考えは自分にはなかった」と感心していた。
その後、町内の「種を育てる研究所(タネラボ)」の日向優代表の講演会、約20種類の薬草を栽培する畑の視察にも臨んだ。
最終日は、道の駅を見学し、町役場で本田学町長を表敬訪問。その後、農畜産物加工研修センターで黒田しのぶさんから、町の特産品として開発した地場産品の「りくべつ牛乳」(低温殺菌牛乳)の話を聞いた。
町内消費を目指して殺菌機などの設備の増設をしたことや、乳脂肪分を均一化しない「ノンホモジナイズ製法」などについて、学生たちは熱心にメモを取ったり殺菌、加工室なども見学したりしていた。
<フェアトレード>
貧困のない公正な社会を実現するため、経済的社会的に弱い立場にある途上国の生産者と、経済的社会的に強い立場の先進国の消費者が対等な立場で行う貿易を指す。