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放牧飼育で国内認証第1号 広尾の有機酪農・鈴木牧場

日本グラスフェッド規格の第1号認証農家となった鈴木さん

 【広尾】広尾町紋別で有機酪農を展開する鈴木牧場(鈴木敏文さん経営)は、オーガニック認定機構(OCO、福岡市)が運営する「日本グラスフェッド規格(JGS)」の認証を取得した。牧草と放牧で家畜を育てるグラスフェッドは国内でも浸透してきたが、基準があいまいで、第三者認証の必要性が叫ばれていた。JGS認証の取得は鈴木牧場が第1号。

 JGSはグラスフェッドに関する国内唯一の認証規格。欧米の基準を参考に、4月にスタートした。自然に近い環境で飼育した家畜(牛、羊、ヤギ等)の乳・肉であることを示す。

 与える餌は牧草のみが基本で、遺伝子組み換え作物、デントコーン、穀物飼料は禁止。「おから」「ふすま」など穀物由来の副産物も与えることはできない。放牧期間・面積(成牛1頭当たり30アール以上)も規定されている。

 鈴木さん(41)は牧場内で家畜伝染病が発生したのを契機に、有機酪農にシフト。一昨年、生乳、牛肉、鶏卵でJASオーガニック認証を取得している。

 餌も段階的に配合飼料や圧ぺん麦、ビートパルプを取りやめ、今季から牧草のみに移行した。現在は60頭(搾乳)を、66ヘクタールの牧草地で育てている。鈴木さんは「外部要因(配合飼料)に左右されず、牧草という再生資源で健康に育てれば、安定経営につながる。ひいては持続可能な地域づくりに貢献できる」と話している。

 鈴木さんは有機、グラスフェッドで育てた牛の生乳を牧場で加工し、秋に「十勝オーガニック牛乳」を発売する。(能勢雄太郎)

<グラスフェッド>
 牧草飼育。放牧を基本に牧草や干し草で家畜を育てる飼育法。グラスフェッドビーフは赤みが多く低脂肪とされ、健康志向の消費者の注目を集めている。

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