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卵高騰が長期化 菓子店も確保に必死 人気土産への影響懸念も

来月から卵の仕入れ制限が決まり、人気のスイートポテトの製造への影響が懸念されるクランベリー(エスタ帯広店)

 鳥インフルエンザの影響などで、鶏卵の高騰が十勝でも長期化している。かつては「物価の優等生」と言われたが、スーパーでは特売が激減し、大手飲食チェーンでは卵メニューを休止する動きが出ている。また、一部の地元菓子製造会社でも原料不足で人気スイーツの製造維持が危機的な状況となっており、影響の広がりが懸念されている。

 帯広市の小売価格調査では鶏卵(Lサイズ10個入りパック、10日時点、税込み)の平均価格は昨年2月以降、190円前後で推移、同7月に202円に。同12月は225・8円まで上がり、直近の今年2月は223・8円だった。

 高騰の要因は鳥インフルの発生増と関係者は口をそろえる。農水省によると、今シーズン、飼養総数の約1割となる約1478万羽が殺処分対象となっている(20日時点)。

高止まりが続く卵(ぴあざフクハラ西帯広店)

 スーパー・フクハラでは今月、普通卵(白玉)1パック(10個)を税別198円、週末同178円で販売。平日は税込で200円を超え、前年比約40円のアップ。

 運営する福原(帯広市)の太田友一・和日配バイヤーは「1月までは何とか税別178円で販売。卸値と連動させるなら248~268円はつけたい。チラシ特売を入れないなど経営努力で価格を抑えている」と説明。普通卵との価格差が縮まった、高額な特殊卵の売り上げも直近で前年比50%増。全国的な数量不足で道内でも道央中心に必要量が仕入れられなくなっているとし、数量確保を優先する。

 すかいらーくグループ(東京)は16日から、帯広にも店舗がある「ガスト」でまぐろユッケなど、「バーミヤン」では天津チャーハンなどの提供をそれぞれ休止している。

 菓子製造販売のクランベリー(帯広)は、働き方改革などの一環で、近年主力のスイートポテトなどの原料卵は卵液などの状態で仕入れている。仕入れ先から鳥インフルの影響で来月から必要量(前年比)の50%しか供給できないと言われたとする。水戸部公平社長は「年明けから制限がかかっていたが、今回は大きい。他の鶏卵業者にあたっているが、確保のめどが立っていない。雇用維持の観点からも生産調整はしたくないが、最悪(減産)を検討しなければならない」と話す。

 柳月(音更町)では「価格高騰もあるが、今は数量の確保に努めている。半年から年内いっぱいは厳しい状況が続く」(経営開発室)とみている。
(佐藤いづみ、完戸雅美)

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