バッタ大発生 農作物被害を警戒 清水
【清水】清水町羽帯の一部地域で、6月下旬からバッタが大量発生している。これまでに農作物の被害は確認されていないが、関係者は警戒を強めている。
バッタが確認されたのは芽室川上流の町営育成牧場付近。道路沿いや牧草畑の近くで、イタドリの群落が食い荒らされている。付近の牧草畑は収穫を終えたタイミングで、被害はない。
6月25日に付近の農家から連絡を受けた町は、町とJA十勝清水町などで構成する営農対策協議会で対応を検討。同30日、農作物にも使用できる殺虫剤スミチオンを1000倍に希釈して散布した。今後、効果を検証して2度目の散布を検討する。
また、他の地域に拡大していないか把握するため、同JAを通じて町内農家に対し、各ほ場でバッタが発生していないかを確認するよう呼び掛けている。
十勝農業改良普及センター十勝西部支所(清水)の依頼を受けた十勝農業試験場の調査で、バッタは「ハネナガフキバッタ」と確認された。
同支所によると、過去に同バッタは十勝でも大量発生したことがあり、フキやトウモロコシ、大豆、小豆、牧草などに被害が出た記録がある。近年では1980年に鹿追町で大量発生している。
今年は6月の降水量が少なく、気温が高かったことがバッタのふ化に適していたという。
同バッタの大量発生は年1回で収束するというが、同支所は「今年のバッタが多ければ卵の数も多くなるため、来年も同じような気象条件が重なると、大量発生につながる可能性がある」と警戒している。(丹羽恭太)