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一般会計は過去最大の853億円 帯広市の21年度予算案

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 帯広市の米沢則寿市長は15日午前、2021年度予算案を発表した。一般会計は20年度当初比1・8%増の853億4400万円で、当初予算として過去最大となった。新型コロナウイルス対策は1億9670万円(補正分含む)。コロナ禍で税収減を見込む中、「新しい生活様式」への対応や産業振興などに配分する財源を確保した。
 特別会計、企業会計を含む総額も7・0%増の1751億2082万円で過去最高。

 米沢市政の3期目として最後の本格予算。(1)持続可能で活力ある地域経済をつくる(2)新しい未来を切り拓(ひら)くひとをつくる(3)安心して日常を過ごせるまちをつくる-の3点を重点に、市長公約や懸案事業などに幅広く目配りした。

 コロナ関係は市税などのキャッシュレス決済導入、感染症対策に必要な物品を分散備蓄する倉庫整備、ワーケーションを念頭にしたポロシリ自然公園のWi-Fi環境整備、ワクチン接種経費など。

 いずれも2月、3月補正予算案に計上、実施は新年度に繰り越す「繰越明許費」を設定する。コロナ対策を切れ目無く行う、国の「15カ月予算」(補正予算と翌年度当初予算の一体編成)に合わせた措置。

 産業振興では今年度実施した地域マーケティング事業を発展させ、十勝ファンを抽出し、ファンクラブを立ち上げる。起業・事業創発を支援する十勝・イノベーションエコシステム推進事業も継続する。

 医療・福祉分野では産後ケアの利用期間を延長。低年齢児の保育ニーズに対応するため、公立保育所に0歳児室を整備する。

 教育関係では、小中学校で図書資料の蔵書率が100%となるよう約3万2000冊を整備する。アイヌ文化への関心の高まりや訪日観光客の増加を受け、帯広百年記念館の無線LANや展示物の多言語化などを進めるほか、野草園、動物園でアイヌ文化に関わりを持つ動植物の解説パネル、看板を新たに設置する。

 歳入のうち市民税収入はコロナ禍による収入減などにより4・8%減の216億4415万円で、2年連続で減収を見込んだ。地方交付税は0・4%増の140億329万円。

 特別会計ではばんえい競馬会計が馬券発売額の増加を見込み、405億894万円と過去最高になった。(川野遼介)

記者会見で新年度予算を説明する米沢市長(15日午前10時半ごろ)

経済対策、3月補正視野 米沢市長
 米沢市長は15日、2021年度予算案を発表した記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大によって落ち込む地域経済への直接的支援などを含め、国の第3次補正予算を活用し、さらなる対策を検討する考えを示した。「庁内で検討している。内容が決まり次第、3月の定例会で追加提案を含め、対応を考えていきたい」と強調した。

 予算案については「情勢の変化に対応しながら各施策を着実に推進し、まちの活力を高めていくため、新しい生活様式への対応も意識しながら『地域経済』『人』『まち』、それぞれの視点から必要な経費を盛り込んだ」と説明した。(岡田優人)


<繰越明許費>
 一般的に予算はその会計年度内に消化するのが原則だが、経費の性質上または予算成立後の事情により年度内に支出が完了できないと見込まれるものを、翌年度に繰り越して支出できるようにする制度。

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