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ロケット事業化、23年目標 IST

2023年の打ち上げを目指す人工衛星軌道投入ロケット「ZERO」(インターステラテクノロジズ提供)

 【東京】インターステラテクノロジズ(IST、大樹町、稲川貴大社長)は19日、都内で開いた事業戦略発表会で、人工衛星軌道投入ロケット「ZERO(ゼロ)」初号機の打ち上げ目標を、2023年と明言した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術支援も受け、開発を加速させる。同日、支援組織「みんなのロケットパートナーズ」も発足、“仲間たち”と一緒に、新プロジェクトのスタートを大々的に発信した。(松村智裕)

 ゼロは全長22メートル、重量35トンの2段式液体燃料ロケットを想定。重さ100キロ以内の超小型人工衛星を地球の周回軌道の高度500キロに投入する。打ち上げ費用は6億円以下を見込む。

 支援組織を構成する8団体・企業のうち、大樹町や丸紅など多くは従前からISTを支援。JAXAはゼロのエンジン開発に協力し、「一緒に日本の宇宙輸送を盛り上げたい」とする。ISTは技術者をJAXAの角田宇宙センター(宮城)へ派遣する。

 ユーグレナ(東京)はロケットで活用するバイオ燃焼を検討。漫画「宇宙兄弟」の編集者など、ロケット関連以外の分野からも協力者が集まった。

 ゼロと並び、今年の早い段階での打ち上げを目指す観測ロケット「MOMO(モモ)」3号機への期待もにじむ。初号機、2号機の失敗を経て、3号機は機体を立てた状態での「縦吹き」で120秒間の燃焼実験に2度成功。民間単独では国内初となる高度100キロの宇宙空間到達を果たせば、さらに多くの企業・団体から関心を集めることは間違いない。

 ゼロはエンジン出力がモモの50倍に及ぶなど開発にはさらに時間を要する。4年後の成功に向けて、IST創業者の堀江貴文氏は「小型衛星の打ち上げは、想像ができないほどマーケットが広がる。まずはモモの打ち上げを成功させ、ゼロに向かいたい」と力を込めた。


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