雨と気温上昇 冠水 道央方面 交通遮断 臨時休校も
前線を伴った低気圧の影響で、9日の十勝地方は強い雨が降った。気温は上昇し、1日の大雪が解けた影響もあって各地で道路が冠水、商業施設で浸水被害が出るなど市民生活を直撃した。JR北海道は帯広・釧路と札幌を結ぶ9日の特急全便を運休、道央圏につながる主要道路も通行止めとなり、十勝は再び陸の孤島となった。小・中学校の臨時休校も相次いだ。帯広測候所は融雪による浸水や土砂災害、河川増水、雪崩に注意するよう呼び掛けている。
8日午後から雪が降り、降り始めの午後3時から9日午前5時までの降雪量は新得30センチ、上士幌町ぬかびら源泉郷29センチ、帯広11センチなどとなった。雪は次第に雨に変わり、降り始めから9日正午までの降水量は広尾157・5ミリ、帯広67ミリに達した。広尾の3月の平年降水量は91・2ミリで、1カ月分以上の雨が降ったことになる。風も強まった広尾は傘が差せないほどの横殴りの雨となり、土のうを積んで浸水被害に備える住宅もあった。雨は夕方まで降る見込み。
気温も上がり、9日正午までの広尾の最高気温は10・3度になるなど4地点で今年最高を記録。帯広の正午の気温は3・3度で、平年より2・6度高かった。
雨と気温上昇で雪解けが進み、9日朝から各地で道路は冠水。水しぶきを上げて走行する車が目立ち、通勤時間帯の道路は混雑した。宅配便の一部は集荷を停止し、配送が遅れた。
雪崩や道路冠水の恐れがあるとして、交通機関にも乱れが出た。十勝総合振興局によると、9日午前11時現在、十勝管内の国道5路線7区間が通行止めとなっている。通行止め区間は、国道274号日勝峠と同浦幌-白糠間、236号天馬街道、273号三国峠、336号黄金道路(2区間)、38号狩勝峠。道東道も池田-夕張間が通行止めとなっている。道道は10路線13区間が通行できない。
JRは「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」の特急22本が全便運休した。根室線は特急や新得-釧路間を含め、89本が運休した。帯広と札幌・旭川を結ぶ高速バスは全便、新千歳行きは一部が運休した。
学校の臨時休校も相次いだ。十勝教育局によると、音更、士幌、上士幌、新得、芽室、更別、帯広の7市町村の全82小・中学校が休校に。帯広柏葉や新得高等支援など5高校、3特別支援学校も休校。清水町内の小・中学校は登校時間を2時間繰り下げた。