更別のスモモ、ワインに
さらべつ産業振興公社 池田町が醸造
【更別】村の第三セクター、さらべつ産業振興公社(江本信吉社長)は、村特産のスモモを使ったワインの商品化に乗り出した。池田町ブドウ・ブドウ酒研究所が協力し、8月に試作品が完成。村内外で試飲した感想を聞き、スモモの酸味と甘みを残したワインとして、来年5月の販売開始を目指す。
原料となるスモモは、村内のどんぐり公園内にある「すももの里」で1987年から栽培されている。管理する村は、特産品開発用に実ったスモモを提供しており、公社でもドレッシングやヨーグルト、リキュールなどの加工品を商品化してきた。
同研究所はかつて、香川県池田町(現・小豆島町)産のスモモを使ったワインを製造した経験を持つため、醸造に協力した。昨年8月に収穫した計50キロを池田へ運搬。果汁を搾った後、発酵させ、720ミリリットルのワイン約50本ができた。濃いピンク色で、「スモモの酸味と甘みのバランスを取った」(同研究所の大渕秀樹醸造係長)という。
試作したワインは村内や首都圏などで試飲してもらい、男女約100人が酸味や甘み、香りなどを評価するアンケートに答えた。若い世代を中心に「甘くて飲みやすい」との回答が多く、20~30代では7割が「また飲みたい」とした。
一方、「スモモの酸味が強い」との指摘もあった。公社は酸味を重視したワインと、酸味を抑えて甘みのあるワインの2種類を商品化したい考え。担当する公社の渡邊孝明係長は「アンケートでは割って飲む方法などの提案もあったので、販売に生かしていく」としている。
主な購買層は女性に設定し、今後、名称やパッケージデザインを決定する。内容量は試作品よりも小さな500ミリリットルサイズにして、価格は1000円前後を想定している。渡邊係長は「スモモの形はかわいらしく、女性向きの素材としてアピールしていきたい」と話している。(深津慶太)