計画とは別の場所に避難誘導 市「対応まずく反省」
帯広市議会総務委員会(菊地ルツ委員長)が15日に開かれた。市は台風10号の対応でさまざまな問題点があったことを説明した。
災害対応については全委員が質問した。
今回の台風で市は、8月30~31日に消防職員を除いて最大482人の職員が対応。情報収集や避難情報の発信、避難所運営などに当たった。
避難所開設に当たっては、一部地域で市民に配布している防災マップの記載とは異なる施設を開設し、市民に混乱を招いた。市は「(避難対象地域から)近いところに開設した」(総務課)とする。これに対し稲葉典昭氏(共産)は「まずは地域防災計画の通りに対応し、足りないところを現場判断で追加するのが基本だ」と指摘した。
開設した20の避難所には合計で1954人が避難。避難者が多かった施設では、受け付けの混雑や物資不足などの問題があった。
運営に当たる人手不足が指摘されるものの、市は当時の各避難所の職員配置数を把握できていない。藤澤昌隆氏(公明)は「市民を守るべき体制を取って避難所を開設すべきなのに、何人いたかの詳細も分からずにどう検証していくのか」とし、調査を求めた。
この他にも、避難情報の周知方法など多くの点で課題を残した。市は「避難所開設が35年ぶりで、大きな災害を経験した職員もいない中で、本部が冷静に判断できる状況になかった。対応がまずかった点を真摯(しんし)に反省する」(柏木純三総務課長)と述べた。
現在、市では職員アンケートや住民との意見交換などを通じ、災害対応の課題を検証している。(丹羽恭太)