避難所不安 女性警官がケア 新得署が巡回
【新得・清水】台風10号による大雨災害で新得、清水両町の住民避難が長期化しているのを受け、管轄する新得署(高田重栄署長)は避難者のサポートに力を入れている。8日から女性警察官による避難所巡回を開始した他、避難中の住民の自宅周辺のパトロールを重点展開し、避難生活の不安を取り除いている。
8日午後、同署交通課交通係の江尻彩乃巡査ら2人の女性警察官と、生活安全課生活安全係主任の外﨑圭悟巡査部長が、新得町内で唯一の避難所として残る新得小学校を訪れた。
「ゆっくり寝られてますか」。江尻巡査らは8月末から避難生活を続ける日下部壱宝さん(21)にそっと声を掛けた。「慣れない場所での生活が続き、床上浸水した家のことを考えると思い詰めることもある。女性警察官なら話しやすく気分が楽になった」。日下部さんの表情が和らいだ。
両町市街地で河川が氾濫し、9日現在、新得で3世帯7人、清水10世帯19人が不自由な避難生活を続けている。同署は台風災害発生以降、通常業務に加えて災害対応にも従事するが、こうした避難者が少しでも不安を抱えずに日々を送れるようにと、独自のサポートをすることにした。
その1つが、女性警察官による避難所巡回だ。女性ならではの気配りで避難生活の不安を聞き取り、精神面でサポートする狙い。2人は通常業務の合間を縫い、同署管内で避難所となる新得小学校と清水町保健福祉センター、役場御影支所を数日に1回巡回する。
江尻巡査は「気軽に何でも話してほしい。一人ひとりの思いに丁寧に耳を傾けたい」と話す。
同署は災害に乗じた犯罪にも目を光らせる。全国的には昨年9月に鬼怒川が氾濫した茨城県常総市内や、同4月の熊本地震、東日本大震災でも避難住宅を狙った空き巣などの犯罪が相次いだ。義援金募集を装った振り込め詐欺もあった。こちらは全署員一丸で、被災家屋周辺のパトロールや夜間警戒など、防犯対策を強化している。
井川一彦副署長は「管内住民の安全安心を守るのが使命。避難生活を送る住民が少しでも心を落ち着かせることができるよう頑張りたい」としている。(小寺泰介)