5年ぶりに新馬誕生 士幌高校、将来はセラピー馬へ
【士幌】士幌高校(吉田岳夫校長、生徒174人)で、牡の子馬1頭が生まれた。同校にとっては5年ぶりの新馬。ゆくゆくはセラピー馬として巣立つ予定で、世話をする生徒たちは“新入り”の健やかな成長を温かく見守っている。
校内には厩舎(きゅうしゃ)があり、乗馬専門の「ライディングクラブ」(高橋都帆部長、部員9人)と2年生以上が在籍する「畜産専攻班」(木幡ののか班長、班員10人)が飼育、管理をしている。
頭数は子馬を含めて4頭に増えたが、唯一のポニー「栗和」(牡)は21歳となり、人間に換算すると80歳を超えるほどの高齢に。そのため、同班を担当する杉本忠宏教諭は「年を取り続ける馬と触れ合うのもいいが、1年生の時期に出産に立ち会い、自分たちと同じように馬も成長した姿で旅立っていくような『ストーリー』を」と考え、馬の“若返り”を図ってきた。
今年度に入ってその成果が表れ、24日昼に同班の生徒が母馬の分娩(ぶんべん)の前兆に気付き、26日夜に杉本教諭と同部の富田英佑顧問が出産に立ち会った。
新馬は馬体50キロ、体長70センチで、毛色は美しい栗毛。母親に寄り添って母乳を飲んだり、わらの上に寝そべったりするなど愛らしい姿を見せている。馬が好きで4月に入部した伊藤銘志君(1年)は「出産は見られなかったけれど、元気な子馬が生まれて本当に良かった。人に優しい馬に育ってほしい」としている。
5月中に全校生徒による公募で新馬の名称を決める予定で、乗馬を通じて障害者らに癒やしを提供するセラピー馬として調教していく。(小縣大輝)