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高温、干ばつで小麦などの生育心配 十勝の農家

例年より早く穂が出て、花も咲いている小麦(6日午前8時ごろ、帯広市川西町で、塩原真撮影)

 十勝管内では6月に入って例年にない高温が続き、4月から降水量も少ない干ばつ気味となっていることから、農家が農作物の生育を心配している。特に小麦では「穂が出るのが早すぎる」「これだけ草丈が短くてちゃんと実るのか」など懸念する声が多い。一方で「伸びすぎて倒れなくていい」「ここまでの生育はそう問題ない」といった意見もあり、見方が分かれる。エルニーニョ現象で冷夏の可能性もある中、今後の天候が注目される。

 6月に入ってから管内は最高気温が30度を超える日が続いた。帯広測候所によると帯広市内では4、5月とも降水量は平年より少なく、6月の降水量はゼロとなっている。

 管内の農家は「小麦の穂が出るのが例年になく早い」と口をそろえる。芽室町の農家・坂東隆幸さんは「畑によって生育にムラがある。石のある畑や粘土の畑は干ばつのダメージが大きい。(4月下旬の)霜に当たったビートも個体差が大きい」と話す。今後1週間は気温が下がることも予想され、「これからの小麦の開花期に低温は良くない。今年は裏目の天気が多い」と気をもむ。

 アスパラガスは5、6月が収穫最盛期。帯広市内の農家・池下清一さんは「水不足で伸びるのが遅い」と今後の雨を期待する。贈答用としても人気だが、量の確保に影響が出るほどではないという。

 小麦は例年、伸びすぎで倒れるのを抑制するため、生育調整剤を使う農家もいる。十勝農業改良普及センター(中札内村)は「小麦の丈は短いが、逆に倒伏の心配は少ない。開花の後の6月後半から7月にかけ高温になりすぎず、じっくり実が育つことが重要。今の暑さはそれほど心配しなくても大丈夫」とみている。
(眞尾敦)

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