大正動物霊園に新火葬炉 ペットの見送り環境を整備
帯広市内の大正動物霊園(大正町基線65、紺野智也社長)は、園内に新しい火葬炉を導入した。開園以来43年にわたり使用してきた火葬炉の老朽化に加え、火葬時間の短縮による飼い主の負担軽減、個別火葬の需要の高まりなどに応えるため、新規運用を決めた。(貞野真生)
同園は1982年に開園。周囲を畑に囲まれ、林や池、川のある静かな場所に多くのペットが眠る。園内には火葬場のほか、本堂や納骨堂、合同慰霊碑「やすらぎの碑」などの施設を備え、ペットの供養を行っている。新火葬場は9月末に完成し、今月1日から稼働を始めた。
同園ではペット1頭で火葬する個別火葬と、複数頭のペットを一緒に火葬する合同火葬を行う。個別火葬では遺骨を収骨できるため、「亡くなってもペットを連れて帰りたい」という人に選ばれやすい。近年は十勝でもペットが増え、火葬の需要が高まっている上、個別火葬を選ぶ人も増えたという。
新築した新火葬場には、大型犬など体重30キロ程度の動物まで対応できる個別火葬専用の火葬炉を設置。ハムスターやインコ、トカゲなどの小動物にも対応する。ペットの冥福を祈る祭壇も新調し、飼い主が落ち着いて待つことができる、Wi-Fi(ワイファイ)付きの待合室も備えた。
旧火葬炉では合同と個別火葬の両方を行っていたが、新火葬炉に個別火葬の機能を移した。旧火葬炉よりサイズは小さいが、火葬にかかる時間は約2時間から約1時間20分に短縮。火力が高く、骨の残り方もきれいになった。これまでは完全屋内の待合室がなく、待ち時間が長いため飼い主が園外で待つこともあったが、その負担も解消された。
同園の根本全博園長(50)は「ペットは動物といえど家族。霊園は地域にとって、生活になくてはならない一つのインフラ」といい、「飼い主さんが悔いなく見送りできる環境づくりに力を入れていく」と話している。








