堀江氏のSNSロケット、エンジン試験「成功」
【赤平】堀江貴文元ライブドア社長が創業した事業会社「SNS」(東京)は12日午前、赤平市内で、開発中の液体ロケットエンジンの公開燃焼試験を行った。3月に大樹町内で実施する打ち上げ試験に向け、弾みをつけた。実験後の記者会見で、堀江氏は「無事に成功した。エンジンの安全性に問題はなく、順調に進んでいる」と述べた。
試験場は、道産ハイブリッドロケット「CAMUI(カムイ)」の研究開発に携わる植松電機(赤平市)の敷地内。SNSは、2009年からエンジン開発で同社の協力を受けている。
この日は、堀江氏も現地入りし、試験メンバーに加わった。エンジンは、燃料(エタノール)と酸化剤(液体酸素)が燃焼室内に噴射されて推力を得る仕組み。今回は3月の打ち上げ時と同じ条件で運用手順を確認し、約2・5秒の燃焼データを取得した。
SNSから打ち上げ業務を受託する「NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター」(HASTIC、札幌)の関係者も見学に訪れ、「しっかりと燃焼していた。来月まで実際に飛ばす機体なども検査して、打ち上げに協力したい」(伊藤献一理事長)としている。
記者会見には今回の実験責任者でSNSの牧野一憲氏も同席。堀江氏は今後の打ち上げ試験について、「できるだけ大樹町で続けていきたい。HASTICなどが先駆者として実験を行っているので、試験環境が整っている」と述べた。
SNSは、安価な衛星軌道投入用ロケットシステムの開発に取り組み、14年の実用化を目指している。(佐藤圭史)