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大樹の空で航空実験 成果着々

右:大学院生とともに実験機を確認する土屋教授
左:深尾教授と開発中の無人飛行船

 【大樹】町多目的航空公園には毎年、大学の研究チームが訪れ、実験に励んでいる。今年は東京大と神戸大が無人機や飛行船を飛ばし、飛行データを取得。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大気球のような大がかりな実験はないものの、着々と成果を積み重ねている。両大学の責任者となる准教授に、大樹での実験計画や、それぞれの研究への思いなどを聞いた。(佐藤圭史)

小型航空機の安全性検証
東京大工学系研究科航空宇宙工学専攻・土屋武司准教授(40)

 -大樹ではどのような実験をしていますか。
 2009年から町多目的航空公園で、小型航空機(ビジネスジェット)の故障や破損を想定した飛行実験に取り組んでいます。今年は飛行中に実験機の翼の先端を落として、故意に故障の状態をつくり、それでもきちんと安定飛行するかを確認しました。来年以降も継続できればと思っています。

 -専門は。研究は将来的にどのような形で実用化されるのでしょうか。
 飛行力学が専門です。子供のころから、宇宙や航空機に興味がありました。大学院では、ロケットやスペースプレーン(宇宙往還機)などの機体が効率的に空気をとらえて飛行するためには、どのような軌道で飛ばせばいいかを研究しました。

 小型無人機の研究は近年進んでおり、完成されつつあります。そこで、上空からの植物調査や災害時観測にも利用できるなど、使い勝手のいいものにしていく必要があると考えています。将来的には、誰でも使用できる飛行ロボットが誕生するでしょう。

 -大樹町の印象は。
 公園内外の土地が広いため、実験をしやすい。周りの住民の方々の理解も深いので、大変ありがたいと思っています。

災害監視用飛行船を研究
神戸大大学院工学研究科機械工学専攻・深尾隆則准教授(42)

 -大樹で取り組んでいる実験は。
 神戸大は阪神・淡路大震災(1995年)以降、災害時の救助活動に関する実験や機器の開発が盛んです。その一環として、無人飛行船の研究を2006年から大樹町で行っています。実用化されれば、災害時に上空からカメラ撮影をして被災状況の情報収集ができます。現在は離陸から着陸まで自律飛行ができるようになり、精度を高めている段階です。飛行船は初年度に比べて非常に進歩し、来年も大樹で実験し、ひと通り完成の予定です。

 -ほかにはどのような研究にかかわっていますか。
 高校のころから人工衛星や宇宙ステーションに興味があり、大学では航空工学科に進みました。ロボット工学の盛んなカーネギーメロン大学(米国)に客員研究員として所属していたこともあり、乗り物の自動化・高度化を図る「ビークルロボティクス」を研究しています。例えば、果樹園を自動で走るバギーが自動で収穫すれば、後継者対策にもなるでしょう。

 -大樹町の実験環境は。
 実験場所を探している中、格納庫などの施設が整っている大樹は何ものにも替えられない。霧で実験できないことがあり、天気がもう少し良いとありがたいのですが。

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