耕土興論「外岡秀俊(ジャーナリスト) 先生のいない教室」
高校の思い出というと、決まって浮かぶのは、放課後の教室の風景だ。 人影もまばらな教室には、いつも数人が居残り、長い入り日が落ちるまで、議論を戦わせ、悩みを語り合った。授業のことはすっかり忘れたのに、その風景だけが、懐かしくよみがえる。先生のいない教室では、互いに素顔に戻って、本音を話せたから..
高校の思い出というと、決まって浮かぶのは、放課後の教室の風景だ。 人影もまばらな教室には、いつも数人が居残り、長い入り日が落ちるまで、議論を戦わせ、悩みを語り合った。授業のことはすっかり忘れたのに、その風景だけが、懐かしくよみがえる。先生のいない教室では、互いに素顔に戻って、本音を話せたから..