首都を守る地下神殿~お江戸日記
下町にある私の生家は、東京大空襲を耐え抜いた築90年の木造建築だ。その茶の間にある柱に、今も色の変わった跡が残っている。戦後まもない1947(昭和22)年に襲来したカスリーン台風の浸水痕だ。 治水技術も乏しい時代、遠く70キロ離れた埼玉県北部で利根川の堤防を決壊させた濁流は、幸手、春日部、吉..

下町にある私の生家は、東京大空襲を耐え抜いた築90年の木造建築だ。その茶の間にある柱に、今も色の変わった跡が残っている。戦後まもない1947(昭和22)年に襲来したカスリーン台風の浸水痕だ。 治水技術も乏しい時代、遠く70キロ離れた埼玉県北部で利根川の堤防を決壊させた濁流は、幸手、春日部、吉..
