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察知することも仕事のひとつ~人の気配

ローディーの中嶋香寿己さん

 もうすぐこの連載も5年を迎えるというタイミングだが、紹介できていない音楽業界の仕事はまだある。多くの人に支えられて音楽を鳴らせていることに改めて気がつく。背筋が伸びる思いだ。

 今回は、フリーでローディーをやっている中嶋香寿己さんを紹介したい。僕を含めて、周りからはタイガーの愛称で親しまれている。

 ローディーという言葉になじみがない方に簡単に説明をすると、ライブにおいて楽器周り全般、運搬やセッティング、本番の音作りなどを担当する職業である。やることは多岐にわたり、現場によって求められることも変わるだろうと想像する。

 ここまで書いて、「それってミュージシャン本人はできないの?」と思う人もいるだろう。結論からいうと、できる。ステージの規模によるところも大きいが、実際、自分でやりたい人と自分ではやりたくない人がいるのも事実で、どちらが正しいという話ではない。

 僕は自分で全てを把握していたい性格なので、基本的には自分でやってしまうことの方が多いが、それでもお願いしたいときがある。現在開催中のリリースツアーがまさにそう。他に考えることが多いときは、ライブに集中するためにもローディーの力が必要なのだ。

 ローディーに必要なのは専門的な知識と気遣いだと僕は思っている。そしてタイガーはそれにたけている。ミュージシャンが今何を欲しているかをステージの上ではもちろん、下でも常に感じながら動いているのが分かる。あうんの呼吸でその瞬間にトラブルを回避していく姿はまさにプロの仕事である。

 タイガーと一緒に回るリリースツアーも残すところは3月の東京公演のみ。その日も彼からエレキギターを受け取り、ニューアルバム収録の『Colors』を歌う。


<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続け、V6への楽曲提供も話題となる。ニューアルバム『Like A Diary』のリリースツアー北海道編は、6月7日札幌、8日東川、アコースティックで開催。

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