耕土興論「桑原裕子(劇団KAKUTA主宰) 闇の中のしあわせ」
暗闇で過ごす日々が始まった。 と、こんなふうに書くと、まるで悲しみと苦悩の日々かのように聞こえるが、その逆だ。私たち舞台俳優にとって闇とは舞台裏。暗闇で過ごす日々とはつまり、舞台公演が始まったということである。出番を待って今か今かと暗がりで息を潜む日々こそ、俳優にとってまさに生きている時なの..
暗闇で過ごす日々が始まった。 と、こんなふうに書くと、まるで悲しみと苦悩の日々かのように聞こえるが、その逆だ。私たち舞台俳優にとって闇とは舞台裏。暗闇で過ごす日々とはつまり、舞台公演が始まったということである。出番を待って今か今かと暗がりで息を潜む日々こそ、俳優にとってまさに生きている時なの..