十勝のシシャモ漁、本格的にスタート しけでずれこみ「今後に期待」
【広尾・豊頃】十勝沿岸の今季のシシャモ漁が、本格的に始まった。日本一の漁獲量を誇る広尾町の十勝港では、水揚げされたばかりの新鮮なシシャモが次々と運び込まれている。
広尾では当初7日に始まる予定だったが、台風やしけの影響で初水揚げは10日に。その後も出漁自体の延期や、出漁してもわずかの水揚げで、出港してもすぐに戻る状況が続いていた。
海の状態が少し良化した20日は夜明け前に出漁し、午後2時すぎに帰港する本格的な漁に。
水産関係者によると、浜値は大きいサイズで1キロ当たり平均2800~2900円前後。昨年と比べて若干安いという。
広尾漁協ししゃも漁業部会の下沢信昭部会長は「しけの影響で魚が散らばり、網への入りは良くない。天候が安定して、海の状態が定まり、持ち直しを期待したい」と話していた。
大津漁協は15日にスタート。しけのため、漁自体に出られない日も多いという。序盤は「魚の入りは、あまり良くない。今後に期待したい」(同漁協)とする。大樹漁協でも10日から漁が始まっている。
十勝総合振興局によると、昨年の漁獲量(3漁協計)は、資源保護などの観点から漁獲限度量を設定したこともあり、平成以降では最低の51トンにとどまった。漁は11月中旬ごろまで。(松岡秀宜、澤村真理子)
十勝のシシャモ漁、本格的にスタート しけでずれこみ「今後に期待」