「TOYO」のチーズがフランスの国際コンクールで銅賞
【芽室】フランスで開かれたチーズコンクール「モンディアル・デュ・フロマージュ2025」(9月14~16日)で、芽室町のチーズ工房「TOYO Cheese Factory」(長原覚社長)が出品したハードタイプの「age07 Hard」が、ブロンズメダル(銅賞)を受賞した。同工房は初出品での受賞に喜ぶ一方、「世界一」を目指す通過点と位置付け、チーズづくりへの意欲を新たにしている。(近藤周)
同コンクールは2年に一度、フランスのトゥールで開催される国際大会。今年は世界60カ国から1985品が出品された。
「外観」「香り」「テクスチャー(食感)」「風味」「バランス」の5項目で審査し、基準点を超えたチーズに金、銀、銅のメダルが贈られる。日本からは農林水産省の検査や手続きを通過した6品が出品された。
受賞した「age07 Hard」は、更別村の七海牧場の生乳のみを使用。衛生管理を徹底した牛舎で搾られる生乳は雑味がなく、36カ月という長期熟成でも風味が損なわれないチーズができるという。熟成によりアミノ酸の結晶のシャリッとした食感とうま味、栗のような甘みも感じられる。
同牧場は、同工房の七海一樹専務の実家。実家の生乳の良さを生かしたチーズを目指して製品開発に励んできただけに、受賞への喜びもひとしおだ。「外観」は最も高い評価を受け、「スタッフと一緒に丁寧に外皮を磨いてきた成果。チーズの本場で評価されたのはうれしい」と話す。
同工房では「世界一のチーズ」を目標に掲げており、今回の受賞はあくまでも途中経過。頂点を目指して11月にも、スイスの世界大会にラクレットチーズを出品する。
長原社長は「生産者への感謝の思いを持ち続けながら、世界に十勝のチーズを発信したい」と話している。