幕別途別小で38年続いた伝統行事「稲刈り」 今年度の閉校で最後に
【幕別】今年度末に閉校する幕別途別小学校(佐竹宏子校長、児童12人)で16日、同校最後の伝統の稲刈りが行われた。全校児童が黄金色に実った稲の収穫に汗を流した。
途別地区は十勝で最も早くから稲作が行われていた地域の一つとされるが、1986年を最後に水田がなくなった。翌87年から同校が稲作文化を引き継ぎ、学校行事の一環で稲作に取り組んでいる。今年は5月に田植えを行った。
この日は児童のほか、教諭やPTA、地域住民ら約50人が参加。広さ0・7アールの校内の農園に実った稲を鎌で刈り取った。約40分で刈り終わり、収穫したもち米の品種「キタユキモチ」はわらで結んでグラウンドの遊具に運んで干した。
遠藤咲結さん(6年)は「地域の人たちがたくさん集まって、最後にすてきな稲刈りをすることができた」と笑顔。櫻井彩菜さん(同)は「寂しい気持ちもあるが、みんなでわいわい過ごしていい思い出ができた」と話した。
終了後、佐竹校長は「稲刈りの楽しい風景や様子を大人になっても忘れないで」と呼び掛けた。稲は10月に脱穀し、12月に餅つきを行う予定。(大健太郎)
幕別途別小で38年続いた伝統行事「稲刈り」 今年度の閉校で最後に