全国の高校生が「宇宙」で交流 大樹にJAXAスペーススクール
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、研究拠点所在地に高校生を集めて宇宙関連の講義を繰り広げる「大樹エアロスペーススクール2025」が5~8日、大樹町内で開かれた。全国から集まった高校生20人が、JAXAの宇宙科学研究、民間企業のロケット開発、人工衛星を利用した未来の農業などに触れながら、同世代との交流を深めた。
高校生に最新の航空宇宙分野を体感してもらおうと、宮城県角田市、東京都調布市、茨城県つくば市、大樹町で開催。大樹では町との共催で、今年は「地球・人・宇宙開発の未来」をテーマに開いた。大樹高校1年の澁谷優希さん(15)と、10都府県の高校生が参加した。
初日はJAXA大樹航空宇宙実験場を見学し、研究員の講義を聴講。2日目の6日は、北海道スペースポート(HOSPO)を運営するスペースコタンやインターステラテクノロジズ(IST)の担当者らの講義を受けた。ロボット農機の乗車体験や、ドローンによる解析作業などのスマート農業にも触れた。
7日は町多目的航空公園の滑走路で、4グループに分かれて、火薬を使用するモデルロケットの打ち上げに挑戦した。ロケットが空高く打ち上がると、歓声も上がった。高度、射点から着陸地点までの距離、フェアリング(ロケットの先端部分)に詰めた生卵が無事かのミッションも競い、結果に一喜一憂した。
最終日の8日は「2040年の未来社会に広く貢献する『宇宙開発プロジェクト』を検討せよ」のミッションに沿ったグループ発表を行った。地球環境やまちづくり、宇宙科学、宇宙事業を取り入れた独創性豊かな発表で締めくくった。
大阪府三国丘高3年の町谷悠希さん(17)は「宇宙を目指すことで得た技術を生かし、地球上の持続可能性を高めることを(将来は)やりたい。スタートアップ企業などの話をお聞き、改めてそう思った」と充実感いっぱいの表情。澁谷さんも「新しい考え方や最新の宇宙技術も学べ、非常に刺激を受けた」と笑顔をみせた。(松岡秀宜)
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