幕別に民泊「幕宿 MACK YARD」開業 空き家再生で
【幕別】幕別町錦町の空き家を改修した民泊施設「幕宿 MACK YARD(マック ヤード)」が今月、グランドオープンした。本町地区では唯一の宿泊施設で、町地域おこし協力隊の谷保明洋さん(58)が運営する。谷保さんは「観光客のほか行政視察、学生インターン、移住希望者の宿泊など、関係人口の増加につなげたい」と話している。
幕宿は木造2階建て延べ125平方メートル。JR幕別駅から徒歩7分ほどの場所にある。札内地区在住の北原信一さん(76)の父親が使用していた民家で、18年前に空き家となってからも毎月清掃や換気を行い、建物を維持してきた。
昨年、空き家の処遇について相談に訪れた北原さんの対応をしたのが、空き施設利用サポートセンターを運営する谷保さん。建物を見学した谷保さんは適正に維持された状態に驚き、宿泊施設への改装を提案した。「カビや湿気がなく18年も空き家だったとは思えなかった。広い室内も使えそうだった」と振り返る。
民泊施設の開業に当たっては、北原さんから建物を賃借。町内の空き施設を写真スタジオに改修したフォトグラファーの清田千裕さん(32)が趣旨に賛同し、谷保さんと共に民泊運営を担う。
改修工事は老朽化した床や水回りを中心に実施し、客室には冷暖房設備を配備。町の「空き店舗等対策事業」を活用し200万円ほどの補助を受けた。町内の空き施設で回収した建具も有効利用、レトロな内装の民泊施設に仕上げた。壁には清田さんが幕別町内で撮影した写真を飾り、宿泊者に町の魅力を発信する。
1階の和室2部屋(定員約8人)と台所、居間などが宿泊スペース。1人当たり1泊5500円。2階は地域おこし協力隊の池田美奈子さんが管理人を務める。
建物所有者の北原さんは「解体せず、きれいに地域のために活用してくれてうれしい」と笑顔。谷保さんは「民泊で本町の宿泊需要を洗い出し、民間宿泊施設の呼び水にしたい」と話している。問い合わせは空き施設利用サポートセンター幕練(050・8887・3990)へ。(吉原慧)
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