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摂食障害の悩み共有を 十勝初「当事者の会」発足

参加を呼び掛ける摂食障害当事者の山田さん

 拒食症と過食症を抱える幕別町の山田鮎櫻(あゆか)さん(23)が4月、「摂食障害当事者の会」を立ち上げた。19日に帯広市内のグリーンプラザ(公園東町3)で初回の会合を開く。管内では当事者の会がなく、「話し合って苦労を分かち合い、少しでも生きることが楽しくなる場になれば」と参加を呼び掛けている。(高井翔太)

 山田さんは帯広市生まれ。帯広広陽小、帯広第八中、星槎国際高校帯広学習センター卒。軽度の知的障害などを抱えており、現在は同町内の就労継続支援B型事業所で名刺の作成や書籍の補強作業などを行う。

 摂食障害は中学生の春にファッション雑誌で目にしたモデルに憧れダイエットを始めたのがきっかけ。「体重が落ちていくのがうれしかった」。次第に過剰なダイエットになり、水かお茶を中心に、カロリーゼロの食品しか食べなくなった。

 「食べものも見たくなく、見たら吐き気がするようになった」。体重は45キロから38キロまで激減し、体がだるく冷や汗が出る異変が起こった。血糖値を測ると低血糖状態と分かり入院になった。

 学校では仲間外れにされるなどいじめに遭う中、親は重度障害の年子の妹の介護に付きっ切りだった。ダイエットに加え、ストレスも拒食症につながっていた。

 2カ月半治療を受け退院したが、今度は反動で過食症に。「野菜からと考えていたが菓子パンなど、拒食期に食べられなかったものを食べてしまった」。吐いては食べることを繰り返し、再び低血糖状態に陥り入院となった。高校卒業後は日本福祉大学福祉経営学部(通信教育)に進学したが、摂食障害による入退院で思うように授業が受けられず、1年で退学せざるを得なかった。

 摂食障害を抱え10年になるのを節目に当事者の会をつくることを決めた。「摂食障害の人とどう関わればいいか分からない人や完治した人にも来てもらい、どうやったら治せるかも話し合える場にしたい」。高校生の時に妹を亡くしたからこそ命のはかなさも知る。「毎月ここに来るために頑張って生きるんだというきっかけにもなれば」

 毎月第3土曜の午後1時~同3時に開催。費用は300円。問い合わせは山田さん(ayuka.yama.0725@gmail.com)へ。

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