エレゾにテロワール賞 世界的美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」、「命の料理人」評価
【東京】世界的美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」の日本版「ゴ・エ・ミヨ2025」の「テロワール賞」に、豊頃町のオーベルジュ「エレゾ エスプリ」の佐々木章太社長が選ばれた。ジビエ(野生鳥獣の肉)を含む狩猟や飼育、解体、加工、料理提供まで一貫して取り組む姿勢が、「美食の域を超え、命の意味を鮮烈に教えてくれる」と評価された。
「ゴ・エ・ミヨ」は1972年にフランスで創刊され、ミシュランガイドと並ぶレストランガイドとして知られている。料理人や食材、サービスのほか、地域性に焦点を当てシェフを支える生産者や職人も評価するのが特長。日本版9冊目の今回は全国563店を掲載、評価の高い14組が特別賞を受賞した。
テロワール賞は、「今年のシェフ賞」「ベストソムリエ賞」など10部門のうちの一つ。土地の風土や食材、文化を尊重しながら独自に挑戦する生産者や料理人に贈られる。
宿泊施設を備えたレストラン(オーベルジュ)の「エレゾ エスプリ」は、食肉加工・飲食業のエレゾ社(豊頃、佐々木社長)が運営する。一頭一頭と向き合い、その価値を最大限に引き出す佐々木社長を「命の料理人」と紹介。エゾシカのコンソメはまろやかな甘みと酸味が広がり、心に深く染み渡ると絶賛した。
17日に都内で授賞式が開かれた。佐々木社長は「受賞はスタッフや地域のおかげ。漁師やハンター、と畜場従事者など食の起点に立つ人への感謝を料理から広げていくべきだと思い、人生を費やしてきた。食の原点を光らせられる料理人になりたい」と話した。
また、帯広のフランス料理店「マリヨンヌ」(小久保康生オーナーシェフ)が5年連続で掲載された。
日本版「ゴ・エ・ミヨ2025」(3300円、幻冬舎)は18日に全国の書店で発売される。(池谷智仁)