芽登温泉の一棟貸し施設、稼働率50%で好調
【足寄】足寄町の芽登温泉(芽登2979)が天然温泉付き1棟貸し施設「蘇芳の庵(すおうのいおり)」を昨年11月にオープンさせた。1日1組限定の高級志向・高価格帯ながら、今年に入ってからは稼働率50%ほどで推移。今後はインバウンド(訪日客)向けのPRを強化し、十勝最古の秘湯としての魅力を国内外に発信していく構えだ。(佐藤匡聡)
芽登温泉は1901(明治34)年に開湯。国有林に囲まれた自然豊かなロケーションが特徴で、自然湧出・源泉100%のアルカリ性単純泉を加温なしで提供する。現在の伊東司代表(62)は世襲5代目。
蘇芳の庵は、本館とは別棟の「離れ」としての位置付け。約90平方メートルの広さで、ダブルベッド2台が並ぶ寝室や大型キッチン、大画面テレビを備えたリビングなどで構成する。たる型サウナや露天風呂も備え、1日1組限定のプライベート空間として自分だけの時間を楽しめる。
現在、お試し価格のプロモーションプランを展開中。素泊まり1人1万5000円、サウナ付き1万7500円、1泊2食付き2万7000円で用意していることもあって、最近の稼働率は50%ほどで推移。オープン当初は本州方面の客が目立ったが、閑農期の今は十勝管内の利用者が多いという。
十勝の観光が本格化する4月以降は、素泊まりで5万円弱の価格帯を設定予定。為替相場の円安を背景に、札幌や富良野で沸くインバウンド需要を獲得したい考えだ。
「これまでは首都圏の人を中心にPRしてきたが、秘湯ゆえに車でなければアクセスは難しく、現状の超高齢社会ではバスやタクシーなど2次交通との連携がかぎ」と伊東代表。「大手3社の光ケーブルが昨年12月までに開通し、滞在中の利便性が高まった。今後は芝生の上でキャンプなどができるよう、庭を整備したい」と話している。
芽登温泉の本館は、日帰り入浴(大人750円)客を中心に根強い人気で、客室は和室20畳のSから7・5畳のCまで4タイプを設定。食事は別棟の「食事処やませみ」で、プランによって道産和牛のしゃぶしゃぶや毛ガニ姿造りなどを楽しめる。
問い合わせは同温泉(0156・26・2119)へ。
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