「肉のおいしさ表現したい」 五日市が台湾に豚丼店
食肉卸や加工販売などを手掛ける「五日市」(帯広市、五日市大代表)は9月、台湾に豚丼店をオープンした。飲食店事業の海外展開はコロナ前からの念願で、五日市代表(44)は「われわれの知識や技術で肉のおいしさを表現し、現地の食文化に切り込んでいきたい」と意気込んでいる。
同社は2014年から台湾や香港に向けて商品販売を開始。五日市代表によると「台湾は豚肉の消費量は多いものの、素材自体への追求や調理法のこだわりは日本ほどない」という。
肉の面白さやおいしさを伝えたいという思いから、5年ほど前から海外進出を検討。コロナが明けた昨年9月ごろから企画が始動し、台湾にいる現地パートナーと共同出資して6月に法人を設立した。
店舗名は「五日市十勝豚丼」。桃園市内の路面店で、カウンターとボックス合わせて24席用意。9月20日にグランドオープン。運営は現地のパートナーが担っている。
豚丼はロース・バラ・盛り合わせの3種類から選べて、炭火焼きによる本格調理で提供。豚肉の素材は、同法人が現地で調達している。販売価格は日本円で1200円前後。
五日市代表は「ローカルのものと比べると値段は倍ぐらい。どのくらい受け入れられるか難しい部分もあるかもしれない」としつつ、「肉屋ならではの表現の仕方で、肉料理のおいしさを現地の人に感じてもらい、徐々に広まっていけばいい」とする。
同社は1969年創業。資本金1400万円で、売上高は2024年6月期で27億5000万円。今回出店した飲食店を入り口に、現地での生産現場に携わるなどしてさらに海外での挑戦を進めていきたい考え。五日市代表は「貿易・物流面で、十勝と海外の架け橋となるような新事業にもチャレンジしたい」と話している。(児玉未知佳)