38歳の遅咲きデビュー、浦幌町出身の松本さんが女子プロレスに闘志
「北都プロレス」(札幌、中條正代表)の練習生としてトレーニングに励んできた、浦幌町出身の松本千穂さん(38)=札幌市=が26日、団体主催大会で女子プロレスラーデビューする。2020年にプロレスの道に飛び込んだ松本さんは「遅咲きのデビューだが、誰もが応援してくれるような選手になり、見ている人に勇気を与えたい」と闘志を燃やしている。(大健太郎)
松本さんは上浦幌中央小、上浦幌中、本別高校卒。東京都内の専門学校に進学し、都内で就職した。
プロレスを目指すきっかけになったのは、4年前にテレビで見た女子プロレス団体「マリーゴールド」所属のジュリア選手に密着したドキュメンタリー番組だ。当時は、仕事をいくつも変えて「将来の方向性が見えていなかった」。一生懸命に戦うレスラーの姿や、逆境から立ち上がる底力に心が引かれた。やる気さえあれば転身できることも魅力的だった。
インターネットなどで団体を探して応募を重ねた。21年に女子プロレス団体「SEAdLINNNG(シードリング)」に練習生として所属。しかし、思った以上に練習はきつく、けがや人間関係から9カ月で辞めた。
実家の農場に戻り、農作業を手伝う日々。自分自身を見つめ直す時間となり、情熱が足りなかったと振り返った。リングに立って試合ができるようにもう一度頑張りたいと再決意。22年に北都プロレスの門をたたき見習いとして参加、23年5月に練習生に昇格した。
年間で道内約40カ所を回る巡業ツアーに参加し、リング設営やお客との交流に励んだ。空いた時間には走り込みやスクワットなどで体づくりに打ち込み、ドロップキックなどの技も磨いた。中條代表は「25歳までが参加上限だが、やる気と熱意を感じた。けがをせずに頑張ってほしい」とエールを送る。
デビュー戦を控えた今月11日には、帯広市内で開かれた大正商工夏祭りで、団体の男性レスラーと5分間のエキシビションマッチに臨んだ。試合開始のゴングが鳴ると、高角度の逆エビ固めを決められピンチに。3カウントの前に絞め技から抜け出し、ドロップキックやエルボーで反撃に転じたが、試合は惜しくも決着はつかなかった。
「勝ちたいという気迫が足りず、悔しかった」。デビュー戦に向けてさらに練習を重ねる松本さん。「倒れてもがむしゃらに相手に立ち向かっていきたい」と意気込む。
26日、札幌で初戦
デビュー戦は、26日午後6時50分からJR琴似駅直結の「コンカリーニョ」で行われる団体旗揚げ20周年記念大会。第1試合(20分1本勝負)に登場する。
入場料は大人(高校生以上)前売り3000円、当日3500円、小中学生(保護者同伴)1000円。チケット予約はメールで、(1)氏名(2)券種と枚数(3)郵便番号と住所(4)携帯電話番号を明記し、crane_hokuto@hotmail.co.jpへ。