空き家をビジネスホテル客室にリノベ 本別に4月オープン
【本別】本別町内で唯一のビジネスホテル「ホテル和さび」(池田圭吾社長、北4)は、町内の空き家をリノベーションして新たな客室に生かすユニークな取り組みを始める。2022年7月に開設以来、8割以上の稼働率を維持し、慢性的な客室不足を解消すると同時に、地域にとって深刻さを増す空き家問題の解決に貢献したい考え。4月中の利用開始を予定している。(若原奈緒通信員)
同ホテル裏に隣接する築26年の木造平屋を昨秋に取得し、今月末から改修する。床面積86平方メートルの2LDKで、総費用は約1千万円。リノベ後の名称は、すし業界の専門用語の数字にちなんだ「和さび別邸ピン(1)」。今後も周辺の空き家を確保し、リャン(2)、ゲタ(3)、ダリ(4)と増やしていく計画だ。
同ホテルは、町内の老舗すし店「源すし」が中心部の多目的集会施設跡に開業し、すしを楽しめる人気宿泊施設となっている。現在、全15室のうち13室がシングルのため、ファミリー層が宿泊をあきらめるケースも多く、別邸開設でファミリー層や団体客のニーズに応える。
別邸の定員は6人とし、繁忙期も含めて価格は2万~5万円を想定。長期滞在者向けの割安プランも設ける。「和モダン」をテーマに、家のように落ち着いてゆっくりと過ごせる空間にする。
池田社長によると、中心部で空き家が目立っており、ホテル開業と同時に別邸戦略を描いてきた。池田社長は「人口が減っていくマチでも泊まる空間があれば、人が集まることを実感できた。ファミリー層も開拓し、中心部のにぎわいを復活させたい」と意気込んでいる。