インフル収束しないまま「流行期」へ 十勝でも通年感染
昨年末に始まったインフルエンザの流行が、収束しないまま冬を迎えそうだ。道内でも既に「流行期」に入った中、十勝管内のクリニックなどでは早速、ワクチンの接種に訪れる人も。帯広保健所は警戒を強め、各医療機関では「ワクチンの希望者は早めに接種を」などと呼び掛ける。(松岡秀宜)
インフルエンザは、1定点医療機関当たりの患者数が1人超で「流行期」に入り、10人超は「注意報」、30人超は「警報」レベルとなる。厚生労働省によると、全国では2022年12月下旬に3年ぶりに流行期となり、今年2月には12・91人でピークを迎えた。その後は減ったが1・00人は下回らず、昨季最終週(8月28~9月3日)は2・56人。今季第1週(9月4~10日)は4・48人と増え、現行の集計方法となった1999年以降、流行期が初めてシーズンをまたいだ。
帯広保健所管内(十勝)は今季第3週(9月18~24日)で0・58人。例年は冬に増えてゴールデンウイーク以降は患者数がゼロになることが多いが、2022年12月中旬に患者が確認されて以降は、通年途切れずに今季を迎えた。全道は昨季最終週に1・43人となり、既に流行期に入っている。
十勝管内の医療機関でも例年と同じ今月から、インフルエンザワクチンの接種がスタート。帯広市内のクリニックで2日に接種した男性(53)は「職業柄、インフルエンザの感染を防ぎたいため、すぐに打った」と話す。このクリニックでは「今季は、動きが早い。接種者の予約も今月下旬くらいまでは、ほぼいっぱい」とする。
インフルエンザワクチンの予防効果は、接種した2週間後から5カ月間程度で「感染を完全に阻止できないが、発症や発症後の重症化を予防する」とされる。新型コロナウイルス感染症と同時流行が続くと、医療逼迫(ひっぱく)を招く懸念もある。帯広保健所では、「ワクチン接種を希望する人は早めの接種を」とする。