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鳥せい経営権 ノベルズから創業家親族に戻る

鳥せいのさらなる拡大を誓う森井新社長

 畜産大手のノベルズ(上士幌町、延與雄一郎社長)は、子会社だった「鳥せい商事」(清水町、西尾康宏社長)の全株式を5月31日付で、「鳥せい」創業家の親族が立ち上げた「Raiseホールディングス(HD)」(清水町、森井洋成社長)に譲渡した。同時に西尾社長は退任し、森井氏(52)が新社長に就いた。

 鳥せい商事は全道の鳥せいチェーンを統括。門外不出の味付けでチェーン店に若どり肉を供給し、技術指導などを担っている。1978年に設立、2020年に将来の成長戦略などを考え、ノベルズに全株式を譲渡し、傘下に入っていた。

 RaiseHDなどによると、株式の売買価格は非公表で、鳥せい商事の全従業員15人の雇用や、チェーン店、原料先など対外的な関係に変わりないとする。

 森井氏は、鳥せいを設立からけん引し、03~20年に社長を務めた門脇和行氏の娘婿。1971年札幌市生まれ。北海道工業大(当時)卒。96年に鳥せい商事に入社し、昨年から執行役員部長。3月22日付でRaiseHD(株式会社)を立ち上げていた。

 両社によると、今年に入り、株式譲渡の話が出てきたとする。ノベルズは「当社が本業(酪畜産)を強化している中、森井氏の鳥せいに対する将来の事業展開への思いなどを聞き、今回の対応となった」(広報)、森井氏は「歴史と伝統の味を守りながらも、時代の変化に合わせた新たな事業にも挑戦したいし、チェーン店も増やしていきたい」とそれぞれ話した。

 鳥せい商事は資本金2000万円。十勝や札幌、苫小牧などに19店舗。売上高は約4億円(2022年12月期)。(佐藤いづみ)

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